席につきその紙切れを見る。
昨日はご迷惑をお掛けしました。
今度お時間がある時にお礼させて下さい。
行ってみたいイタリアンの店があるのですが、1人じゃ行き辛いので…
メールで都合の良い日を教えて下さいね。
kyo08ko********@docomo.com
私はまた外回りに出かけ、そのまま帰宅した。
帰りの電車の中で、恭子にメールを入れた。
お疲れ様です。
明後日なら外回りでそのまま直帰です。
だいたい18時には終わるので、どうでしょうか。
スグに返事がきた。
お疲れ様でした。
では明後日にしましょう!
どこで待ち合わせしましょうか。
行きたいお店は青山にあります。
営業の仕事が四谷だった。
私は表参道で待ち合わせても良いだろう。
それでは表参道に向かいます。
仕事が終わり次第メールしますね。
分かりました。
楽しみに待ってますね♪
久しぶりにウキウキした気分になった。
こんな楽しい気分になったのはいつぶりだろう。
今の妻と結婚して5年。
今では妻とデートも滅多にない。
日曜日に一緒に出掛けて、買い物をして食事をして帰る。
そのぐらいだ。
女の子と待ち合わせなんて久し振りだった。
約束の日、私はお気に入りのスーツを選んだ。
妻には接待があるから、少し遅くなると伝えて。
仕事が終わりスグに恭子へメールを送った。
恭子はすでに表参道にいて、ウィンドーショッピングをしているという。
電車を乗り継ぎ、私は急いで向った。
言われた雑貨屋の前、恭子が待っている。
すらっとしているが痩せすぎていない、女性らしい肉付きをしたシルエット。
今日は黒いタイとパンツに網タイツ、そして白いシャツ。
シャツはタイトなタイプらしく、胸がはち切れそうに見える。
あの巨乳が、先日は俺の背中に当たっていたんだ…。
『お待たせしました』
私は少し走って恭子の元へと向かった。
酔っていた時とは違い、いつもの凛とした綺麗な女性になっていた。
会社とも違う。
プライベートの恭子は、私が相手にできるような女性ではない感じだった。
『いいぇ、こちらこそ忙しいのにスミマセン』
笑顔を見た時、なぜか私のジュニアはムクムクと反応し始めた。
恭子に先導されて、私達はあるイタリアンレストランへと向かった。
地下1Fにある洒落たお店。
『今日は私が御馳走しますので、遠慮なく食べて下さいね』
そう言いながら階段を降りる。
静かな大人が通う隠れ家的なお店。
つい立があり、周りをあまり気にしないで食事ができる配置になっていた。
私達はコースを頼み、ワインで乾杯した。
『ホントにお世話になりました。
朝目が覚めたらソファーだったので、ホントにビックリしたんです。
机の上に中島さんの手紙があって、慌ててポストを見に行ったんですよ』
笑いながら恭子は言った。
恥ずかしそうに喋る恭子。どんどんその魅力に惹かれている自分がいる。
『アタシ、タクシーからちゃんと歩いたんですか?
朝歩いた時に右足が痛かったので、もしかして転んじゃったのかなって』
『サンクスの前でよろめいた時に、足を挫いたみたいですよ。
歩けそうになかったので、悪いとは思いましたがおんぶしたんです』
『えっ…そうなんですか?!どうしよう…ホントご迷惑をおかけして…』
『いえいえ、軽かったですしその方が楽だったんで』
私は笑いながら言った。
もしかしたらあの時の悪戯を覚えていたら…
そんな不安もあったのだが、覚えていないようだったので安心した。
『絶対重いですよー。体重がバレたみたいで恥ずかしいです』
私の軽い受け答えに、恭子も安心したようだ。
『玄関で帰ろうかと思ったんですよ。
でも藤村さんそのまま寝ちゃって。それでソファーに運んだんです。
寝室までは申し訳なくて入れなかったので』
『こんな酔っ払いは玄関に捨てて良かったんですよ。
中島さんてホントに優しいんですね』
次第に打ち解けあってきた。
料理も美味しい。恭子が注文したワインも美味しい。
それ以上に、目の前には素晴らしく綺麗な恭子がいる。
食事が終わり店から出ると、恭子がもう一軒行きたいと言った。
この前、友人の結婚式の2次会で行ったバーがあるのだという。
今度は私が御馳走するという事で、そのバーへ向かった。
表参道から歩いて10分、ひっそりとした路地裏にバーはあった。
細い通路を進むと小さなエレベーターがある。
5Fにバーがあるので、私達はエレベーターに乗り込んだ。
『今日はそんなに呑まないで下さいね』
軽いギャグを言う私。
恭子ものってきて『そしたらまた送って下さいね♪』という。
『今度は玄関先に捨てておきますから』
『えぇ~ちゃんと2Fの寝室まで連れて行って下さいよぉ』
こんな楽しい会話をしつつ、バーで恭子の旦那さんの話をした。
彼は土地持ちの地主の末っ子。
出張といい、月に一回は地方に出掛けて行く。
多分いろんな場所に、愛人でもいるんじゃないかしら…
別に寂しい顔になるわけでもなく恭子は言った。
『どうせ親の薦めで結婚しただけだし』
どうやら二人の間には、既に愛情は無いらしい。
『中島さんの家はどうなんですか?』

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