とりあず支店長をリビングに運びました。
ソファーに座らせると、案の定そのまま横になってイビキをかき始めました。
そして私はお言葉に甘えて、着替えをしました。
しかしその着替えが・・・小さいんです。
「ちょっと待ってて下さいね・・・」
ちょっと笑いながら、奥さんは部屋を出ていきました。
支店長の洋服では、私には全く合わなかったのです。
「これなら大丈夫かしら?」
そういって手渡されたのは、なんと奥さんのスエットだったんです。
奥さんにしてみたら大きめのスエットでしたが、私にはピッタリなサイズ。
とりあえず着替えさせてもらい、リビングでお茶をもらいました。
その時気が付いたのですが、ちょっと奥さんのホホが赤かったんです。
「もしかしてお酒飲んでました?」
「そうなの。どうせうちの人も遅いかと思って、さっきからちょっとね」
「そのタイミングにスミマセンでした。良かった飲んで下さい、私は平気ですから」
「そうね、主人も帰ってきた事だし・・・」
そう言って奥からワインを持ってきました。
私は既に飲んでいたので、丁重にお断りして1人で飲んでもらいました。
横では支店長がイビキをかいて寝ています。
一度寝ると、相当な事がない限り起きないと言っていました。
バイタリティー溢れる昼間の元気は、この睡眠からくるんでしょうね。
外でも接待、家に送っても接待。
そんな感じで、奥さんの話し相手になりました。
子供もいなくて、暇すぎる生活を送っているようです。
「買い物か習い事以外は、ずっと家にいるから・・・」
お酒を飲みに従い、会話のほとんどが愚痴に代わります。
主人の帰りがいつも午前様だとか
週末になっても家にいないとか
帰って来ても、いつも酔っ払っててとか。
正直、参ったなぁ~と思っていました。
「そうそう、良かったら主人を上まで運んで下さらないかしら?」
「そうですね。このままじゃ風邪ひいちゃいますよね」
「アタシ1人では無理ですもん。寝室までお願いできる?」
「イイですよ、お連れします」
私は支店長の腕を肩にまわして立たせようとしました。
しかし脱力している支店長は、結構な重さです。
ですから両側から二人で運ぶ事にしました。
うぅ~ん・・・むにゃにゃ・・・と戯言いっている支店長。
階段をのぼり寝室に入るまで、かなり大変でした。
寝室に入ってみてびっくりです。
15畳ほどの洋室。真ん中あたりに置かれている大きなベッド。
天井には大きな窓があり、夜空が見えます。
さすがだな・・・と思いながら、やっとの思いでベッドに運びました。
この時、私でもヤバかったのですから、奥さんは相当だったと思います。
ベッドに支店長を座らせようとした時、奥さんが踏ん張れずに3人で倒れてしまいました。
後ろ向きに倒れそうになり、踏ん張ったが結局倒れてしまった状態。
私は支店長と奥さんの上に、そのまま倒れこんでしまったのです。
気が付くと私の顔は、奥さんの胸の上にありました。
ブラをつけていない柔らかさが顔に伝わってきます。
思いっきり顔で胸を押し潰している体勢です。
「うわっ!失礼しました、大丈夫ですか?!」
私はそう言いながら飛び起きたのですが、焦り過ぎて今度は私自身が後ろに倒れてしまったんです。
ベッドの高さは40cmほど。
その高さから床に落ちました。
腰を打ち、続いて後頭部を打ちました。
「イテテテテ・・・」
もう大慌てです。
奥さんが走り寄って来て、私を起こしてくれました。
「はっはっ・・・大丈夫ですか?」
ちょっと笑いながらの奥さん。
その顔を見て私も大笑いしてしまいました。
多分この瞬間から、お互いに壁がなくなったんだと思います。
ちょっと親しみやすい上司の奥さんという感じです。
次の日の昼に支店長から電話がありました。
「昨日は悪かったなぁ。ちゃんとクリーニング代出すから」
「いいぇいえ、大丈夫ですよ。それより昨日お借りしたスエットをお返しします」
「あぁ~イイんだイイんだ。そんなもんはいつでも」
「はぁ・・・分かりました」
「それより迷惑をかけたお詫びとして、今週末家で食事なんてどうだ?」
「金曜日に支店長のところに伺うので、その後でしたら大丈夫ですが・・・」
「じゃ~そうしよう、うちのヤツが君にはちゃんとしないとって言っててな」
「とんでもないです」
結局、支店長と仕事をして家にお邪魔したのは20時頃でした。
奥さんの手料理がズラリと並んでいて、ワインも出ています。
私は恐縮しながら食べました。
料理は非常に美味しく、お店クラスの味。
「コイツも料理教室に行ってるんだが、披露する機会がないって怒ってるんだ」
「そうよ~アナタはいつも帰りが午前様なんだから」
「だから時々うちに食べにきてやってくれ」
「はい、喜んでお伺いします。ホント美味しいですから」
これも仕事だなんて思いながら、食事の後のワインを楽しんでいました。
さすが支店長の家だけあって、ワインもかなり美味しい。
「コイツもな、こっちに来てから知り合いがいないから、良かったら話し相手になってあげてくれ」
ドンドン話が進んでしまい、最後には暇な週末など買い物に連れて行ってあげるハメに。
どうせ週末は暇で、家でゴロゴロしているからイイのだが。
こんな綺麗な女性とで歩くのも悪くない。
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