「あれは先輩に頼まれて・・・」
とバカ正直に答えた俺に、ユキエは「相変わらず素直だね」と肩をポンポンしてきた。
相変わらずとは・・・と思いつつも嫌な気がしない。
改めて「有難う」を言われた後、2人で店に戻った。
でもそれから30分もしないうちにまた仕事の電話が掛ってきて、俺は会社にあるデータを取りに行って家で作業しなきゃいけない状況に。
「ゴメン、俺ちょっと帰るわ」
周りの友人達に声をかけ立ち上がると「アタシも帰る~」とユキエの声が。
「なんでよぉ~」「どうしたの?」と俺には無かった声が幾つも飛び交うw
「さっきから旦那がウルサイんだもん」と帰る理由を説明してた。
お金は置いてあるので俺は1人で店を出て、電車にするかタクシーにするか考えてた。
そこに「よっ!」と肩を叩くユキエ。
「タクシーで帰っちゃう?」とおちゃらけて聞いてくる。
「独身ですからねぇ~」とか言いつつタクシーを拾う事にした。
「じゃアタシもぉ~」と同乗しようとするユキエに、俺職場に寄ってから帰るんだよって説明したが、イイよイイよアタシも行く!と変なテンション。
先に送るか・・・と思ったが、車内で一緒に行くと言ってきかない。
どうせたいした会社でも無いので、一緒に行く事にした。
本当はユキエと過ごせる時間が楽しくて嬉しくて仕方が無かった。
警備の人に鍵を開けてもらい、一緒に中へ入ってくるユキエ。
やたら「何?あれ」とか「社長室は?」とか言ってたが、軽くスルーして自分の机に行ってデータが入ったメモリーを取ってきた。
またタクシーを拾って一緒に乗ったが、どう考えても俺の家が猛烈に近い。
「いや、送っていくよ!」と強引に向かっていた時でした。
急に「吐きそう・・・」とか言い出して、急遽行き先をウチへ変更。
「コンビニに寄る?」
「うぅぅ・・・ダメかも・・・」
「じゃちょっと降りで休憩する?」
「横になりたい・・・・」
「えぇぇ・・・どうしようか・・・我慢できない?」
「カズ君のウチ寄って良い?」
「そりゃイイけど・・・」
俺が誘ったわけじゃ無く、ユキエから行きたいと言ってきたんです。
まあそんな会話をしてた場所からウチまで、ほんの数分の距離でしたから。
マジで具合悪くてウチで休みたいって言ってると思いました。
肩を貸しながら部屋に入り、とりあえずソファーに座らせました。
「待ってて」とそのまま部屋を出て、下にあるコンビニで飲み物などを購入。
ほんの10分も経って無かったと思います。
急いで部屋に戻ると、光景を見てポカンとしてしまいました。
まずはユキエの格好。
今朝脱いだままベッドに置いておいたグレーのスエットを普通に着てる。
TVの前に体育座りしたまま振り返り「お帰り!」と笑顔で言ってきてた。
しかもそのTVにはいつか見てたエロDVDが映ってて、思いっ切り「あんあん」言ってる。
どういう事?!と理解できない俺は、しばしポカンとしたまま直立不動。
その姿を見てゲラゲラ笑うユキエ。
「ちょっと・・・なに?どういう事?」近付いていって思わず呟いてしまった。
「だって具合悪いって・・もう治ったの?」
「うん、治った!」
「つかその服、洗って無いから汚いよ。。」
「うん、すっごい男臭かった!」
「じゃ何で。。。えっ?何?これってドッキリ?誰かいるの?」
「違うよぉ~~ww誰もいないってばwww」
ユキエの妙な行動が理解できなかったが、買ってきたお茶などを飲んでみた。
「お酒は無いの?」
「だってまた具合悪くなるよ?」
「もう治ったから大丈夫!すぐ横にもなれるし」
「そういう問題じゃないんですけど。。。」
晩酌用に置いてある焼酎を2人で飲みながら、ユキエはAVを見て俺にアレコレ聞いてくる。
止めようよって言っても、ダメ!ときかない。
「カズ君でさぁ~巨乳好き?」
「いやぁ~~まぁ~・・・・ね・・・・」
「男の人って好きだよねぇ~ウチの旦那もそうだし」
「そうだ!旦那さん怒ってるんじゃない?」
「何で?」
「だってさっき電話で怒ってたんでしょ?」
「うん、怒ってたw」
「じゃ帰らないとヤバいでしょ」
「大丈夫だよ」
「大丈夫じゃないだろ、俺が怒られちゃうじゃん」
「だって旦那、今沖縄にいるし」
「へっ?」
「沖縄から電話で怒ってたのw」
「そなんだ・・・」
「今日は大学の友達と朝まで飲むから!って言ってあるし」
「へぇぇ・・・・」
なんでユキエが俺の家にいるのか、しかも俺の服を着てくつろいでいるのか、気持ちがさっぱり分からない状態でした。
そんな俺を尻目に、ユキエはAVを見ながら質問ばかりしてくる。
終いには「もっと隠し持ってるんでしょ~~」と勝手にクローゼットを漁り出してた。
他には無くPCに入っているので、余裕をカマして漁らせてやりましたが。
結局何も無いと分かると、困った事を言い出しました。
「じゃシャワー借りよっかなぁ~~」

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