付き合い出してしばらくすると、舞子に女友達が少ない事を知る。
会話でもあんまり友達の話が出ないし、地元の友達とかの話が全く出てこない。
小中高と女子校だったから、地元には友達はいないとか言ってたが。
でもその長い女子校時代の友達ですらほぼ聞かなかった。
にしてもそんな事を気にするほど器用な男でもない。
別に同性の友達がいなくても関係ない。
そう思って普通に楽しく付き合っていた。
それはもう夢の様な日々だった。
毎晩1時間以上は電話で喋り、毎週土日は会ってお泊り。
俺は理系だったのでそれなりに忙しい日々だった。
でも舞子は文系で時間は有り余るほどあった。
だから本当は平日も会いたかったが、時間的に無理で電話ばかりしていた。
社会人になり舞子との付き合いも順調だった。
いや、だと思っていた。
社会人2年目の10月、突然舞子から別れを切り出された。
それがメールで・・・です。
何かの間違いかと思って電話したが出ず。
何度も何度も電話をした。
でも1度も出てくれなかった。
仕方なくメールすると、非情過ぎる返事が返ってきた。
「もうメールも電話もしてこないで」
途方に暮れた俺は我慢できず、数日後の週末に電話してしまった。
多分着信拒否されてたんだと思う。
確かプルルルルルって鳴らずに話し中の音だった気がする。
当然メールの返事もなかった。
ゲッソリ痩せるほど辛い失恋だった。
確か1ヶ月で10キロぐらい痩せたんだっけ。
もともと太っていたわけじゃなかったから周りに超心配された。
でも時間が経過するとそれなりになるから不思議。
舞子との付き合いを忘れ始めていた3月下旬、あの時一緒に海水浴へ行った(らしい?)女の子と飲む事があった。
俺は本当に申し訳ないが記憶に無い子。
でも相手は俺を覚えていて、コミュ症っぽいなと思っていたらしい。
俺と舞子と同じように、その子もその時に彼氏ができた一人。
すぐに別れたらしいが、その後に付き合った男が偶然にもまた知り合いだった。
俺の事を知ってるとなり、誘われて食事をした日、目が飛び出るほど驚く話を聞かされてしまった。
舞子の話である。
「今だから言うけどさぁ~」
酒も入り良い感じでホロ酔いになった頃切り出された。
「舞子さぁ~ぶっちゃけヤバかったよ」
久し振りに名前を聞き、また心の傷が疼き始めた。
「何が?」
「っていうかさぁ~別れて正解だからね」
「何の話だよ」
「ホント女見る目がないよねぇ~完璧に騙されちゃって超ウケる」
「ちょっと待てよ、何?何の話かよく分からないんだけど」
本当に何が何だか分からない俺に、深い溜息の後衝撃的な一言が。
「他にも男ずっといたしね、あの子」
「えっ?」
「海水浴行った時も彼氏いたし、ずっとアンタ以外にも男いたの」
もう絶句ですよね。
「ちょっと待てよw何言ってんの?そんな事あるわけ無いじゃんw」
狼狽えながら必死に返した俺に淡々と説明してくれた。
その話を聞き終える頃、俺は不覚にも椅子からズリ落ちてしまった。
脱力しちゃって座ってられなくなっていたみたい。
俺と出会った時、舞子には付き合っている彼氏がいた。
その彼氏とは別れず俺と付き合い出す。
理由は「金持ちだからに決まってんじゃん」と言っていたらしい。
純真無垢な俺は信用していたが、実はあの時頼んできた友達が「内緒なんだけどさ」と事前に喋っていたらしい。
聞いていたのは舞子を含めた3人。
だから可愛い子連れて来てと、俺をエサに使っていたみたい。
その3人の中の一人が、その時暴露してくれた子だった。
どんな男か期待していたが、俺を見て幻滅したという。
金持ちでも無理!ってねw
でも舞子が余裕でイケるって言い出し、2人は身を引いたとか。
だからまず実家が金持ちありきで話がスタートしていた。
俺以外の彼氏には「新しいバイト始めた」と言って週末を俺に捧げていた。
だから平日は俺以外の男に費やしていたという。
多い時は俺以外に4人、常に1人は男がいたらしい。
「あの子超ヤリマンだからねw」
「ヤリ友が言うには超腰使いも舌使いもヤバイんだってw」
そんな言葉を聞く度に気が遠退きそうになっていた。
俺が知ってる舞子は偽物だったという。
「じゃ・・・別れた理由って・・・」
「やっぱり知らないんだ?」
「うん、知らないよ」
「開業医の一人息子で研修医の男と付き合う事になったんだよ」
「そうなんだ・・・」
「そう、要するにもっと金のなる木を見つけたってわけ」
「だからあんな冷たい別れ方だったのか」
「超喜んでたよ、これでもう一生苦労しないで済むって、アホみたいに」
その後、舞子が周りの人に喋っていた俺に関する話を聞いた。
それの途中で椅子からズリ落ちたんだよねw
セックスは下手だし、何喋ってるか分からないし、時々キモい目で見てくるとか。
あんなのと結婚しても、お金掴んだら即離婚だよね、とか。
ぶっちゃけ、その日は泣いたよね。
悔しくて惨め過ぎて虚無感にも襲われた。
ずっと引きずって来た舞子への想いは完全に断ち切れた。
捨てられなかった写真は燃やし、昔の携帯にあるメールは全て消去。
舞子がいつも着ていた部屋着もビリビリに引き裂いて処分した。
関わっていた全てをその日の内に消去してやった。

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