彼女はTVを見てました。
「どうします?やっぱり車に運びましょうか?」
「うん、どうしようかな」
彼女はずっとTVを見ていました。
その後ろ姿を見て、泣いているのが分かりました。
人としてとんでも無い事をしちゃったとまたしても痛感し、思わず何も言えませんでした。
しばしの無言の後、TVを見ながら言われました。
「ワザとでしょ?」
「えっ?」
「パソコンの、ワザとでしょ?」
「いやぁ、別に・・」
リズミカルなイビキの中、しばしの沈黙がありました。
「やっぱりショックだったなぁー」
わざと明るく言おうとしてる口調で彼女が言いました。
「もうたくさんあり過ぎて逆に冷静に見ちゃったし」
「ねぇ?なんでだと思う?」
「う~ん、何でなんすかね・・・」
「アタシじゃダメって事だよね」
「いや、最後は戻るからそんな事は・・・」
「あーあ、なんかどうでもよくなってきちゃった」
自分がした事とは言え、俺は後悔で押し潰されそうでした。
その後ずっと無言だった彼女は、やっぱり帰ると言い出し、テルさんを車に運びました。
せめてもの罪滅ぼしだと思い、テルさんを抱えて運びました。
後悔に苛まれていましたが、次の日何も知らないテルさんからお礼の電話がありました。
「彼女からもヨロシク言っておいてって言われたよ」
それから数日後の忘れもしない木曜日の夜、21時ぐらいに部屋でTVを見てました。
シャワーも浴びてビールを飲みながらダラっとしていると、突然インターフォンが鳴ったんです。
こんな時間に何?!と焦りつつ出てみると、カメラにはテルさんの彼女が映っていました。
一応オートロックなので、彼女はマンションのエントランス前。
「どうしたんすか?」
「今大丈夫?」
「まぁ~何もないっすけど」
「じゃー出て来れる?」
「今からっすか?」
「うん、下で待ってるから」
とりまエントランスで待機してもらい、急いで服を着て降りていきました。
エレベーター前のベンチに座っていた彼女は、「ゴメンねぇ~」と半ニヤで挨拶してきた。
すぐ近くの居酒屋に入り、「どーしたんすか?」と尋ねた。
しかもよく俺が家にいて、暇してるのが分かったね?と。
「どーせモテそうにないからいると思ってね」
憎めない口調でカラかうように言われた。
「だってほら、彼氏の話出来る人他にいないじゃん?愚痴聞いてよ」
高圧的では無く、凄くサラッと軽い感じで言われた。
困っていると「ワザと見せてんだから、そのぐらいイイでしょ」とも言われた。
彼女は付き合い出してから思い当たる節を喋り出した。
「やっぱりあの時も浮気してたのかなぁ」
「だって次の日会ったら、いきなり日焼けしてんだよ?」
「後輩の付き合いとか言って合コン行くし」
ヤケになって飲むわけでもなく、ただ聞いて欲しいみたいな感じがした。
だから「うんうん」と話を聞き、せめてもの罪滅ぼしのつもりでいた。
23時過ぎになったので気遣ってみた。
「明日仕事じゃないの?大丈夫?」
「うーん、大丈夫じゃない!泊めて?」
「いや、それはまずいっしょ」
「なんでよぉー!どうせ何もデキないくせに?」
「そりゃそうだけど、だから余計ダメでしょ」
「何が余計によ。まだ呑み足りないから部屋で呑も!」
「んじゃー泊まらずにタクシーで帰って下さいよ?」
「分かりましたよぉーもぉー」
ぶっちゃけ手を出さない自信は無かった。
彼女もそのつもりなんじゃないかって思ってたし。
でも笑えない話、引っ越してからこの部屋に女を連れ込んだのは皆無。
単独で入ったのですら、テルさんの彼女が初というね。
部屋に戻ってからも酒を飲み、愚痴を聞いてあげてた。
「そういえば彼女ってどのくらいいないの?」
「この見た目ですからね、そろそろ3年になりますが」
「マジでぇ?性格は良さそうなんだけどね」
「性格も悪いっすよ。じゃなきゃあんなもん見せないでしょ」
「だってあれはアタシへの優しさでしょ?」
「う~ん、優しさっていうか、復讐?」
「なにそれ?何かあったの?」
酒の勢いもあって、俺は気に入ってた子の話をしてしまいました。
しかもPCを立ち上げて、「この子」と写メまで見せながら。
「マジぃ?テルくん超最悪じゃん!」
「俺だけじゃないよ?友達も同じ事言ってたからさぁ」
「でも大丈夫だよ!絶対その子達も満足はしてないから」
「何で?つーか、も、ってなに?」
「えーっ!アタシの口からは言えないぃーー」
酔いがまわってきた俺達は、ゲラゲラ笑いながら話をし出した。
「だってさぁ~見て分かるでしょ?」
「やっぱり大きさですかね?」
「初めてした時、えっ?って思ったもん」
「物足りなくて?大きさってそんな重要?」
「そんな気にはしてないけどさぁ、少しはねぇ・・」
悪ノリが過ぎた俺は、自分の大きさをアピールしてみた。
「そんなに?それは嘘でしょ?そんなの見た事無いし」
「んや、マジで。握るとこんなもんかな」
「うっそー!そんなの今までの子入った?」
「嘘じゃないし、ほら・・・痛がる子もいたけどね」
「うわぁ、デカッ!」

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